沖縄県には、多くの固有種(限られた特定の地域に分布する種)が生息しています。日本本土には分布しない生物が数多くみられます。また沖縄県内でも、八重山諸島と沖縄諸島とでは、分布する動物の種構成に大きな違いがあります。 固有種の多くは、「沖縄島の北部地域のみ」とか、「伊平屋島のみ」とか、日本地図上では分布域を指し示すことが難しいぐらい、狭い生息範囲しか持っていない種もあります。もともと生存基盤が脆弱(ぜいじゃく)な上に、様々な開発、マングースなどの外来種の影響、園芸・ペット目的の採集圧などの影響により、絶滅のリスクがある種もいます。
環境庁は1991年、「日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック-」を発行しました。脊椎動物編(哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・淡水魚類)では、日本国内に分布する283種、無脊椎動物編(昆虫類・貝類・甲殻類・その他)では同じく国内から410種が、絶滅のおそれがある野生動物として記載されていました。 その後、環境庁のレッドデータブックは、2006年に鳥類、爬虫類、両生類、その他の無脊椎動物(クモ、甲殻類など)のレッドリストが、2007年に哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類、植物Ⅰ、植物Ⅱが発表されました。 哺乳類42種、鳥類92種、爬虫類31種、両生類21種、汽水・淡水魚類144種、昆虫類239種、貝類377種、その他無脊椎動物56種、植物Ⅰ1690種、植物Ⅱ463種がレッドリストに掲載されていました。最新のレッドリストは、2012年8月、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類、貝類、その他の無脊椎動物、植物Ⅰ、植物Ⅱの新しいレッドリストが発表されました。2013年2月には汽水・淡水魚類のレッドリストが発表されました。哺乳類63種、鳥類150種、爬虫類56種、両生類43種、汽水・淡水魚類238種、昆虫類868種、貝類1126種、その他の無脊椎動物146種、維管束植物2155種、蘚苔類283種、藻類202種、地衣類153種、菌類160種が掲載されています。
環境省のレッドリスト掲載種数の一覧表はこちらをご覧下さい。
沖縄県は、1996年「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物」を発行しました。これには、植物896種(菌類、藻類、蘚苔類、シダ植物、種子植物)、動物484(哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、淡水魚類、甲殻類、昆虫類、クモ型類、ムカデ・ヤスデ類、陸・淡水貝類)種が記載されていました。2005年3月には、改訂された「改訂・沖縄県の絶滅のおそれがある野生生物」が出版されています(植物編は2006年)。改訂版 レッドデータおきなわ-動物編-では、哺乳類23種、鳥類76種、爬虫類34種、両生類10種、魚類56種、甲殻類76種、昆虫類160種、クモ型類6種、ムカデ・ヤスデ類34種、貝類362種、改訂版 レッドデータおきなわ-菌類編・植物編-では菌類100種、植物846種が掲載されています。
ここに、沖縄県に生息する陸上脊椎動物(哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類)のうち、天然記念物やレッドデータブック記載種など、何らかの指定がなされている種をリストとしてまとめてみました。いかに多くの生物に絶滅のリスクがあるのか、感じていただければと思います。
*以下のものに掲載・指定されたものをまとめました。
・改訂 「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)-動物編-」
・環境省のレッドリスト 2012年発表(哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類)、2013年発表(汽水・淡水魚類)
・天然記念物
・国内希少野生動植物種
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・「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)-動物編-」 ← PDFで全文を閲覧できます
・「沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)-菌類編・植物編-」 ← PDFで全文を閲覧できます
・環境省 レッドリスト 2006年報道発表 鳥類、爬虫類、両生類、その他の無脊椎動物(クモ、甲殻類など)
・環境省 レッドリスト 2007年報道発表 哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類、植物Ⅰ、植物Ⅱ
・環境省 レッドリスト 2012年報道発表 哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類、貝類、その他の無脊椎動物、植物Ⅰ、植物Ⅱ
・環境省 レッドリスト 2013年報道発表 汽水・淡水魚類
・環境省 生物多様情報システム 生物多様性や自然環境に関する情報を収集し、広く提供するためのシステム
・環境省 種の保存法の解説