人口、地勢などやんばるの概要です。やんばる( 山原 ) とは、沖縄島( 沖縄本島 ) 北部地域一帯を指す俗称です。
”山原”とは”やんばる”と読みます。沖縄島(沖縄本島)北部地域一帯を指す俗称です。沖縄島の北部は森が広がっているため、やんばると呼ばれたようです。まずは、やんばるがある沖縄島(沖縄本島)の位置をご覧ください。
沖縄県は、九州から台湾にかけて弧状に連なる琉球列島の一部であり、160あまりの島(0.01km2以上の島)からなる島嶼県(とうしょ)です。最北端は、徳之島の西側に位置する硫黄鳥島であり、沖縄県唯一の火山がある島です。現在無人島となっています。この硫黄鳥島から、最南端の波照間島(有人島)まで、約400kmあります。
沖縄県を構成する島々は、沖縄諸島、宮古諸島、八重山諸島、大東諸島の4つに大きく分けることができます。宮古・八重山諸島を併せて先島諸島と呼ぶ場合もあります。また琉球列島のうち、宮古・八重山地方を南部琉球、沖縄・奄美群島を中部琉球と区分する事もあります(屋久島・種子島あたりを北部琉球)。
沖縄島(沖縄本島)は、沖縄諸島の中心となる島です。琉球列島最大の島で、俗に”本島(ほんとう)”などと呼ばれています。近年脚光を浴びつつある”やんばる(山原)”は、この沖縄島(沖縄本島)の北部地域のことです。
県土の約5割にあたる面積を有する沖縄島の南部に、県都である那覇市があります。沖縄県の人口の約9割が、沖縄本島に集中しています。では、どこが”やんばる”なの?と聞かれると実は少し曖昧です。広義では、国頭郡である金武町、宜野座村、恩納村、本部町、今帰仁村、名護市、大宜味村、東村、国頭村、伊是名村(離島)、伊平屋村(離島)を指すようです。狭義では、大宜味村、東村、国頭村、名護市あたりを指すこともあります。最近では、貴重な自然が残っている、大宜味村、東村、国頭村あたりを指すことが多いように思います。
大宜味村、東村、国頭村の北部3村は、自然環境が比較的良い状態で残っており、多くの動植物が生息しています。ヤンバルクイナ、ノグチゲラ、ヤンバルテナガコガネ、オキナワイシカワガエルなど、生息域がほぼこの3村に限られたものが多数みられます。
このサイトでは、左の地図に示したラインより北東側の部分を”やんばる”と定義して話をしたいと思います。
国頭村の人口は5,204人、大宜味村が3,236人、東村が1,772人です。沖縄県の人口が1,389,215人ですから、沖縄県民の約0.72%がやんばるで生活していることになります。
沖縄県の面積は2,276.49平方キロメートルです(平成23年:国土地理院)。これは、日本の面積の約0.6%にあたります。北部3村合計の面積は340.05平方キロメートルで、これは沖縄県土の約14.94%にあたります。日本全体からみると、北部3村の面積は、約0.09%にすぎません。この面積で、多くの固有種を育んでいるわけです。
琉球列島の島々は、高島と低島にわけることができます。山がある高い島が高島で、台地状の低い島が低島です。島の成因が異なり、高島は陸島(
沖縄島は、日本最大の島です。北東から南西方向に100km程の細長い形をしており、その幅は最大でも20km弱です。幅が4kmほどしかない部分もあります。島の中南部は低平な地形をしており、200m以下の低い丘陵からなります。それに比べやんばるは、沖縄島の最高峰である与那覇岳(海抜503m)を筆頭に、西銘岳(420.1m)、照首山(395.2m)、伊湯岳(446m)などの山が連なっています。海抜400m前後の山地が島の脊梁を形成し、それを丘陵が取り囲んでいます(下の写真を参照)。
隆起サンゴ礁:珊瑚礁が生成後、地盤と共に隆起したもの
沖縄本島の最北にある国頭村辺戸岳山頂から、南方に広がるやんばるの森をを望んだところです。海抜400m前後の山地が島の脊梁を形成し、それを台地状の丘陵が取り囲んでいます。中央部の山地が、島の背骨のように連なっています。
沖縄本島の最北部にほど近い、国頭村宜名真の茅打バンタから、沖縄本島の南方を望んだところです。台地状の丘陵が、海岸まで迫っています。
辺野喜から伊部岳を望んだところ。海抜400m前後の山地が連なっています。森林に覆われた山地となっています。
南城市(旧;玉城村)から那覇方面を望んだところです。沖縄本島中南部の景観は、写真のように低平です。ほとんどが市街地や耕作地などとして利用されています。所々わずかに木々が生えているだけです。沖縄本島に県の人口の約9割が(約120万人が在住)集中していますが、その多くは、沖縄本島の中南部に住んでいます。