ヨウラクランは宮城県以南、琉球列島、台湾などに分布、沖縄県内では、久米島、沖縄島、石垣島、西表島、魚釣島などに分布するようです。湿度が高い森林内の、樹上の高い場所に着生しています。やんばるでは、8月から9月頃に開花します。垂れている花の部分が5cm前後、拡大した花の唇弁が1mm程度ではないでしょうか。とても小さな花を咲かせるランです。樹上に着生しており、なかなか見つけにくいランです。また近縁なヨウラクラン類との見分けがつけにくく、開花した花を精査しないと同定できないと思います。
クスクスヨウラクラン(アリサンヨウラクラン)は、(社)家の光協会の「野生ラン」という図鑑に、「唇弁は萼片の約2倍長く」とありますので、アリサンヨウラクランではないようです。またオオバヨウラクランは同書に、「中央列片はわずかに2裂状」とあります。写真でみると中央裂片が3裂していますのでヨウラクランと同定しました。
やんばるの森では局所的に生育しています。ほとんどが木の高いところに密集して着生しており撮影が難しい状態です。