タブガワムヨウラン ( ラン科 ) Lecanorchis tabugawaensis

・環境省レッドデータブック:絶滅危惧ⅠA類 

タブガワムヨウランは2016年に屋久島の椨川(たぶがわ)という場所で発見されて記載されたランです。その後、五島列島の福江島にも分布することが確認されていました。2017年に管理人がやんばるの森にも分布する事を初めて発見しました。写真の株は、2017年の秋にやんばるの森で初めて発見した際に撮影したものです。近縁なムロトムヨウランにそっくりです。花は唇弁が淡い紫色をしています。やんばるの森の中でも、比較的自然性が高い森の林床で開花していました。
タブガワムヨウランもムロトムヨウランと同様に光合成をしない菌従属栄養植物です。開花時期から結実時期以外は地上部がありません。光合成をしないため葉もありません。花が咲いていないと種名を同定するのが困難なランです。同属のムロトムヨウランなどに似ているため混同され、これまでなかなか発見されていなかったと思われます。やんばるので生育状況は不明ですが、あまり生育数が多くないと考えられます。今後、琉球列島のいろんな島で見つかる可能性もあります。
タブガワムヨウランをやんばるで確認された事を報告する植物地理・分類研究に載った報文はこちらでご覧頂けます。