リュウキュウアカガエルは、体長3.5~5cm程度の大きさです。沖縄島、久米島に分布します。奄美大島、加計呂麻島、徳之島に分布するものは、2011年にアマミアカガエル ( Rana kobai ) として記載され別種となりました。また同時にリュウキュウアカガエルも Rana ulma という学名で記載されました。
リュウキュウアカガエルの沖縄本島内での分布は名護市以北に限られています。過去に本部半島でも確認したことがありますが、現在の本部半島における生息状況は不明です。やんばるの森の山地渓流周辺には、ナミエガエル、イシカワガエル、ホルストガエル、ハナサキガエル、そしてリュウキュウアカガエルの5種が生息しています。現在ナミエガエル、イシカワガエル、ホルストガエル、ハナサキガエルが大宜味村の塩屋湾以北にほぼ分布範囲が追いやられているのに対し、リュウキュウアカガエルはもう少し南側にも生息しているようです。
本種の繁殖期は冬季です。やんばるでは、だいたい11月下旬から12月下旬頃に繁殖します。渓流の源流部など、狭い谷間の底部に砂泥が堆積した湿地状の場所などが繁殖地です。産卵は、毎年同じ場所で行われ、数日間の短い期間に多くの個体が集まり一斉に産卵します。水の水深が数センチ以下で、チョロチョロとした流れの中に産卵しています。まれに排水溝の集水マスでも産卵することもあります。
10枚目、13枚目、20枚目、21枚目の写真にはカエルの周辺に卵が写っています。また12枚目には発生が進みふ化寸前の卵が移っています。7枚目、19枚目、21枚目は包接したペアです。17枚目は包接したペアに別のオス3個体が割り込もうとして団子状態になっています。